三菱電機 REAL 32インチ倍速液晶でレトロゲームをプレイ


セガ ドリームキャストの「スペースチャンネル⑤」が100円で売っていたので買ってみたのですが、全然クリアできません。
ゲームセンターCXで有野課長が進んだところさえも行けず、2面目ボスでハマっています。


おかしい、正しくボタンを押しているはずなのにうまくいかない。
もうこれは液晶の遅延せいだろう。
当時はまだブラウン管が主流だったし。
そう、そうだ!
そうに決まっている!
ということで、少しでも遅延を少くするために倍速液晶でプレイすることにしました。

とはいえ、こんな理由で何十万もする倍速液晶を買うほどお金もなく、しかも最近は家族もテレビをあまり見ずにスマホがメインです。
そこで、いつものように三菱電機 REALの倍速液晶モデルを買ってみました。
三菱は既に液晶事業を撤退して生産を終了しているので、ゴミみたいな値段で手に入ります。
今回買ったものも型が古いので、32インチの倍速液晶でなんと数百円でした。
ただし蛍光管バックライトなので150Wもの消費電力あるのが玉にキズですが。
しかしデカい...。
20インチモデルと比較しても大き過ぎますね、コレ。



それでは、倍速液晶の威力を試す前にいつものように表示検証を行ってみます。


(1) SHARP X68000 RGB-15kHz
 いきなりX68000でやってみます。
 やはり15kHz映りました!
 アスペクト比4:3で中央ではなく右寄りですが、画面も切れていません。
 さすが三菱です。
 だた、「入力周波数または解像度が範囲外です」が表示されてしまいます。
 これはサービスマンモードでOSDを無効化することで非表示にできます。



(2) SHARP X68000 RGB-31kHz
 次の鬼門、X68000 31kHzです。
 普通のPC用の液晶では表示が上下切れてしまいますが、REALでは31kHzでも上下切れずに映りました!
 画面は中央ではなく右寄りですが切れていません。
 31kHzが切れずに表示でき、15kHzも映せる液晶はかなりレアです。



(3) SHARP X68000 RGB-24kHz
 実はX68000 24kHzも鬼門です。
 三菱RDTだと画面がはみ出してしまいます。
 しかしREALでは画面内に収まっています。
 ただ画面が上下プルプルするので、V-Syncのインピーダンス調整が必要です。


(4) NEC PC-9801 RGB-24kHz
 画面が右寄りですが、はみ出すことなく表示できます。


(5) NEC PC-8801mkII RGB-24kHz
 mkII/SRの15kHzは表示できませんが、24kHzは表示できます。
 ただ、mkII/SRの24kHzはドットの隙間が大きいんですよね。
 Nモードでは解像度が低いのでドットの隙間なく表示できますが。


(6) NEC PC-8801mkII FR RGB-15kHz
 右寄りですが正しく表示できます。
 FR以降であれば15kHzを表示できます。


(6) NEC PC-8801mkII FR RGB-24kHz
 右寄りですが正しく表示できます。
 FR以降は24kHzでもドットの隙間はありません。


(7) CASIO FP-1100 RGB-15kHz
 右寄りですが正しく表示できます。
 画面がプルプルするのでV-Syncのインピーダンス調整が必要です。



(8) 松下電器 JR-200 RGB-15kHz
 右寄りですが正しく表示できます。



(9) 東芝 PASOPIA RGB-15kHz
 右寄りですが正しく表示できます。


(10) 富士通 FM-7 RGB-15kHz
 右寄りですが正しく表示できます。


(11) SHARP X1C RGB-15kHz
 右寄りですが正しく表示できます。


(12) 富士通 FM TOWNS RGB-24kHz
 右寄りですが正しく表示できます。>



(13) 富士通 FM TOWNS RGB-31kHz
 右寄りですが正しく表示できます。



(14) 富士通 FM TOWNS RGB-15kHz
 右寄りですが正しく表示できます。


(15) Atari ST RGB-15kHz/60Hz
 US版のH-Sync 15kHz/V-Sync 60Hz表示に対応しています。



(16) Atari ST RGB-15kHz/50Hz
 UK版のH-Sync 15kHz/V-Sync 50Hz表示に対応しています。
 これを表示できるのはかなりレアな液晶です。



(17) NEC PC-6001 RF出力
 今は亡き地上アナログ放送にも対応しているため、RF出力のレトロパソコンも表示できます。



(18) NEC PC-6001mkII RGB-15kHz
 デジタルRGB⇒VGA変換を行って表示できます。



(19) 任天堂 レーシング112 RF出力
 RF出力のレトロゲーム機も表示できます。
 レトロゲーム機を持っていても表示できないので遊べないといった問題も起きません。



(20) 任天堂 ファミコン RF出力
 表示遅延が一番はっきり分かるのがスパルタンX。
 ROM吸出しを行ってエミュレータでプレイすると、遅延で全くゲームになりません。
 実機プレイで倍速ピクチャー"強"表示ですが、やはり微妙にタイミングが遅れているのかハイキックが膝キックになっているような気がします。



(21) レッツプレイ ナムコノスタルジア ドラゴンバスター RCA出力
 もちろん、一般的なRCA(コンポジット)出力にも対応しています。


(22) コレコビジョン フラッシュバック RCA出力  米国NTSCのRCA(コンポジット)出力にも対応しています。


(23) パックマンコネクト&プレイ アカベイ版 RCA出力PAL
 PALでは、やはり画面が乱れました。
 NTSCのテレビでPALを表示すると白黒になるのですが、REALでは何故か色が付きます。
 おそらくPAL Y/C分離の対応はしているものの、同期信号が50Hzに対応していないのだと思います。
 再現はできなかったのですが、画面がはみ出す制限付きで画面が乱れることなく表示することもありました。



(24) セガ メガドライブ RGB-15kHz
 通常はメガドライブのRGB信号をそのままディスプレイに入力できないそうですが、三菱REALではメガドライブのRGB信号を直結できます。


(25) アストロシティ ミニ HDMI
 HDMI端子がありますので、最新のゲーム機も表示できます。
 但しパネルが1366×768ドットのためフルHDでの表示はできません。


(26) イーグレットⅡ ミニ HDMI
 有名な遅延問題ですが、倍速液晶でも何ら変わりませんでした。
 本体側の遅延だと思いますので、壁紙無効化とフィルタの設定で回避するしかありません。


(27) プレイステーション2 D端子
 D端子を搭載しています。


(28) セガサターン RGB-15kHz
 SCARTのピンアサインを交換するだけでRGB表示できます。


(29) MSX2 RGB-15kHz
 複合同期信号をLM1881NでH/Vに分離する必要がありますが、RGB表示が可能です。
 普通の液晶ディスプレイでは、LM1881Nで分離した同期信号をうまく入力できないので注意が必要です。


(30) セガマークⅢ RGB-15kHz
 残念ながらRGB信号が弱いため、要ブーストです。
 素直にRF出力で表示したほうが良いみたいです。


PSPの17kHzは環境を用意するのが面倒だったので割愛します。


以上、結局は20インチ版のLCD-H20MX75と同じ結果になってしまいました。
それもそのはず、カタログを見ると描画エンジンが同じDIAMOND Engine Vだったんですね。
上位機種のDIAMOND Engine PROではどうなるか知りたいところですが、40インチや50インチはさすがにサイズが大きすぎるので試そうとは思いません。

さあ、スペースチャンネル⑤を倍速液晶で再プレイです。

どないやぁ!


全然ダメ。
やっぱ2面クリアできず。
何で?
コントローラーの入力遅延か?

そこで試しに息子にプレイさせてみたところ...
初めてのプレイでいきなりノーコンティニュークリア!

なんでじゃあーーーーー!
単にこのおっさん下手なだけかよ。
もうゲーム辞めようかな...。


[追記]
ゲームモードをオン、そして倍速ピクチャーや3次元NDRなどDIAMOND Engineに負荷がかかりそうな処理を全てオフにすることで遅延が小さくなるようです。


そこでもう一度プレイし直したところ、どうやら2面目のボスでAボタンとBボタンの操作を間違えていました(笑)
正しい操作を行えば楽勝でしたが、3面目以降も老いた頭では短期記憶ができず、またハマっています。
頭の体操代わりにプレイしていれば、そのうちクリアできるでしょう。


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