Lenovo Thinkpad A285 0102FA エラーを修復してみた


愛機 Lenovo Thinkpad A285 が突然、ドラクエで呪いのアイテムを装備したような音楽が鳴って起動しなくなりました。



「ウイルス感染か?」
と思ったのですが、実は直前にWindows Updateを行っており、よせばいいのに「Lenovo firmware」にチェックを入れてしまったがために、BIOS更新に失敗して起動しなくなったようです。

Lenovoには、この音楽をスマホに聞かせるとエラーの内容を表示するアプリがあるのですが、一瞬コードが表示されるだけで原因が分かりません。
画期的なサービスを始めたもののメンテされていない「ITあるある」ですね。



動画で録画して一瞬映るコードを見てみると「コード:0102FA」となっており、Lenovoのサイトにも記載もなく、ググっても解決方法が見つかりません。
まあ、BIOSが飛んでるのは間違いないので、BIOSチップを吸い出して解析してみることにしました。



まずは、Raspberry PI に flashromというROMを読み書きできるツールが有るらしいので使ってみました。
マザーボードを見ると Winbond というチップがあったので、Pentiumの頃から自作している人なら「BIOSといえばWinbond」ということで、おそらくこれがBIOSチップだと思います。



小さいにチップに何とか半田付けしてRaspberry PIと接続し、flashromを実行してみたのですがうまくBIOS ROMを読み込めません。
何度やってもうまくいかないのでflashromは諦め、Amazonで売っていたROMライタ CH341a を買いました。
やはり餅は餅屋、専用ツールが一番ですね。


とその前に、そもそもこのチップがBIOSかどうか怪しい。
型番を見ると 25Q80DV 8Mbit。
いや、今の UEFI BIOS で8Mbitはないだろう、他にあるんじゃないか。
そこで、マザーボードを外して絶縁シールとべりべり剥がしたらありました、本当のBIOSチップが。
CPU横に 25Q128FW 128Mbit。
これですね。



CH341aにEEPROMクリップという便利なものが付属していたので半田付けは不要、
25Q128FWに挟んで AsProgrammer というツールで簡単にBIOS ROMを吸出しできました。

※CH341aは3.3V駆動、25Q128FWは1.8V駆動なので、CH341aに1.8V降圧下駄を履かせる必要があります。



次は更新BIOSです。
exeファイルで提供されているので、他のPCで展開すると$0AR0X00.FL1 というファイルが出てきます。
これが差し替えのBIOSファイルです。
といっても16MB全て入っておらず、更新差分だけ入っています。
これを UEFI TOOL というツールで読み込むと中のモジュールを参照できるので、CH341aから吸い出したROMと比較します。
微妙に変わっている箇所を replace し、今度はCH341aでROMに書き込みます。

※UEFI TOOLには読み取り専用と書き換え対応版の2種類があります。



さて、動くでしょうか...。
残念、やはり呪いのアイテムの音楽が鳴ります。

あーだ、こーだとやってみましたが、やはり起動しません。
やれることは一通りやってみたので諦めました。

次はマザーボード交換です。
A285のマザーボードは簡単に外せるので交換も容易です。
AliExpressにA285用のマザーボードが売っていたので、CPUが同じRynzen5 PROのものを注文しました。

それから1週間ほどして、スマホに電話が鳴ったので相手を確認せずに出たら...
「ハロハロー」
えっ?と思って番号を見たら国際電話。
やっべっ詐欺か?と思って慌てて切ったら、すぐにSMSから注文について確認の連絡が来ました。
まさか直接国際電話を掛けてくるとは...、中国恐るべし。

さすがに英語で細かい会話はできないので(イギリス人と2年一緒に仕事したけど、オール日本語でした(笑))、SMSとメッセンジャーでやりとりしました。 でも、国際SMSって1通50円掛かるんですけどね。

用件は、Ryzen5は品質的に出せないからRyzen7にしてくれというのと、関税か掛かってしまうぜというもので、かなりの金額になりそうだったので結局キャンセルしました。



さあ積んだぞ。
もうこれでA285はニコイチにしない限りただのゴミだ。
でも諦めの悪いのが私の性格。

最後に、ebayで出ているA285用のBIOSチップを取り寄せることにしました。
これで駄目なら本当に諦めます。

そして、遠路はるばる約束のネザーランドからBIOSチップが届いたのですが、チップ張替だとランド剥がして完全終了になる可能性があるので届いたBIOSチップを CH341a を使ってBIOS ROMを吸出して書き込むことにしました。



すると...

立ち上がった!
懐かしい Lenovo の文字が!



「0183: Bad CRC of security settings in EFI variable」が出てしまうのは後で直すとして、やはり 0102FA エラーはBIOS ROMデータが壊れてしまったことが原因だったようです。


そもそもWindows UpdateでBIOSが飛ぶこと自体、おかしいんですけどね。
もう Lenovo なんてこりごり...といいながらやっぱり買っちゃうんですよね、安いから。
職場のPCもほとんど Lenovo です。


ちなみに、日本国内通販と海外通販はメールアドレスを変えています。
だって、海外の買い物は詐欺とか怖いですからね。
ところが、えきねっとがどうとか、Amazonのアカウントがどうとか詐欺メールが届くのは日本国内用のメールアドレスで、海外メールアドレスは全く届きません。
日本のほうが治安悪いし!(笑)


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